ヒトを訪ねて

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2026.04

シリーズ eスポーツ×ものづくり①: 「”見える”は作れるか」―距離特化型の次世代ゲーミングメガネ、その進化とメカニズム/めがねmonoや

2026年4月14日公開

コロナ禍以降、オフラインイベントの解禁とともに、右肩上がりの成長を見せる 「eスポーツ」。その市場規模は、2024年度の数値で約161億円 にも達する(出典: Jesu『eスポーツの市場と推移』 )そうです。数々のゲームタイトルで大規模な世界大会やオンライン配信などが活発に行われ、プレイヤー間のコミュニケーションや技術の向上も急速に進められてきました。近年では、それらの活動を支えるデバイスの進化も目覚ましく、高性能なマウスや高速表示のモニタなど、ゲームの操作や視認性を支える機器は日々発展を続けています。

そうした流れの中で今注目されているのが、ゲームプレイの環境に着目して設計されたという「ゲーミングメガネ」。長時間モニタを見続けるというeスポーツ独特のプレイ環境に対し、従来の生活用途とは異なるアプローチで生み出されたという、特殊なメガネです。今回は、そのゲーミングメガネがどうやって作られたのか、また、実際のゲームプレイにどのような影響を及ぼすのか、開発元である「めがねmonoや」代表の首藤さん、eスポーツ事業部の細野さんにお話を伺いました。

■お話を聞いた方

首藤 一芳(しゅとう かずよし)さん

「めがねmonoや」代表。精密かつ丁寧な検査で、お客様にピッタリのメガネを見つける眼のエキスパート。最近は、副業で営むラーメン店の新メニューを考えることに夢中だとか。

細野 智子(ほその ともこ)さん

「めがねmonoや」eスポーツ事業部部長。主に、お客様の要望や環境のヒアリング、フレーム選びなどを担当。最近はAIを使いこなすことにハマっており、ゲーミングメガネの正しい知識を学習させまくっているのだそう。

■ゲーミングメガネの生みの親は、メガネとラーメンの二刀流!?

めがねmonoや代表の首藤さんは、大分県別府市にある老舗のメガネ店に生まれました。メガネの専門学校を卒業後、名古屋のメガネ店で3年間修業し、そこから実家のメガネ店に就職します。その後、マレーシアへ移住のため実家のメガネ店を退社しますが、帰国後に再びメガネ店を立ち上げ、東京に店を構える現在のスタイルに定着しました。

--経歴をお聞きすると、ご実家がメガネ店ということもあり、幼いころからメガネに囲まれてきたというのがよくわかります。ゲーミングメガネを扱うお店のプランは、以前からあったものなのでしょうか?

首藤さん:「いえ、実は最初は普通のメガネ店として開業したんです。しかし、開業直後に世の中がコロナ禍に突入し、メガネの予約もほとんど入らなくなってしまいました。それならば、かねてからアイディアとして持っていたeスポーツ専用のメガネに挑戦してみよう、ということで、ゲーミングメガネの販売を中心に動き出しました。その後、2025年からデジタルデバイス用のメガネとして『デジめがね®︎』の販売を開始し、現在に至ります。」

--まさにメガネ一筋という感じの経歴ですね。

首藤さん:「そう感じられる方が多いと思うのですが、実は副業でラーメン店を営んでいます(笑)。」

--ラーメン店ですか!?メガネとはだいぶ離れた業種ですね!

首藤さん:「はい、東京の日本橋本町にある『HIMIT by Menya Ikuzo Tokyo』というお店で、富山県のB級グルメ、富山ブラックラーメンを中心に、ナポリタンとラーメンをかけ合わせた『ナポらー麺』などを提供しています。富山県氷見市の食材と国産小麦100%にこだわった自家製麺を使っていますので、是非食べにいらしてください。」

--コンテストで日本一に輝いたこともあるそうですね!そんな首藤さんが手がける次世代のゲーミングメガネとは一体どんなものなのか、俄然興味が湧いてきました。

こちらが、首藤さんオススメの「ナポらー麺」。メガネだけでなくラーメンまで作ってしまうなんて、驚きです!

■ゲーミングメガネとは何か?ブルーライトカットメガネとの違い

ーーそれでは、ここからはゲーミングメガネについてお聞きしたいと思います。まず、めがねmonoやさんで販売されている「ゲーミングメガネ」とはどのようなメガネなのか、教えていただけますか?

首藤さん:「はい。当社のゲーミングメガネは、簡単に言うと『ゲームをする距離に合わせて作ったメガネ』です。ゲームをプレイする環境はさまざまありますが、例えばスマホとPCゲームでは、眼から画面までの距離が違うと思うんです。スマホでゲームをするときは30cmの距離で見ているけれど、PCでゲームをするときは80cmだとか、そういう部分ですね。距離が変われば当然、適した度数も変化しますので、プレイ環境にフィットしたメガネを使っていきましょうということです。」

ーーモニタとの距離、ですか。ゲーミングメガネと聞いて、よくある「ブルーライトをカットするメガネ」のイメージを持っていました。

首藤さん:「もちろんブルーライトもカットしているのですが、それだけではないということですね。モニタからはブルーライト以外も眼に有害な波長の光が出ているので、そこからもしっかり眼を守るような仕様にしています。」

細野さん:「ブルーライトカットのメガネとどう違うの?という質問は、現場でも本当によくいただきます(笑)。私たちのゲーミングメガネは、『モニタとの距離に最適化している』、『ブルーライトだけでなく、数々の有害光線をカットしている』、そして『視野が広がるレンズ(後述)を入れている』とご説明しています。コンセプトが似ているゲーミンググラスはたくさんありますが、当社のゲーミングメガネは非常に多くの機能を盛り込んでいると思いますよ。」

首藤さん:「ほかにも、配信者さんがよく使う『女優ライト』などは、光の強さゆえ、眼に大きな刺激を与えます。光の反射を嫌ってコンタクトを使用する方が多いのが現状ですが、特に長時間配信をするような場合は、ゲーミングメガネなどを使った眼の保護にも意識を向けてもらえると良いですね。」

こちらがゲーミングメガネ。スポーティーなフレームに、有害光線をカットする色付きのレンズが組み込まれています。非常に軽い付け心地で、長時間プレイの強い味方になってくれそうです。

ーーゲーミングメガネが生まれたきっかけについて、教えてください。

首藤さん:「はじめは、ブルーライトカットと視野が少し広く見えるような設計をして、オンラインで売ることを考えていました。ところが、販売前のテスト段階で思ったよりも『効果がない』という声が多かったんです。どうして効果が出ないのだろうと思案していたところ、ゲーマーさんたちの視力自体が思っていたよりも良くないことに気付きました。これは単なるブルーライトカットだけではいけない、対面でお客様の眼のコンディションを把握したうえで、きちんと度が入っているメガネを作る必要があると考えたんです。」

ーーそもそも、視力が原因で良く見えていないという部分が潜在的にあったんですね。

細野さん:「そうなんです。ピントが合っていない状態で長時間モニタを見ていれば、眼精疲労の原因にもなります。その状態でブルーライトだけをカットしても、あまり意味がなかったんですね。まずは度を合わせてモニタを見やすくし、眼の疲労からなんとかしなければ、というところに至りました。」

ーー確かに、ピントが合わない状態でモニタを見続けるのは辛いですね。そこで、現在の検査を重視するスタイルが誕生したということでしょうか。

首藤さん:「はい。お客様の眼に合わせたメガネが必要なのに、ネットで量産モデルを売るのはちょっと違うだろうと。眼のコンディションやクセは人それぞれですので、詳しく検査をして、それから最適なメガネをご提案する形ですね。現在は店舗での検査が主ですが、eスポーツのイベントなどに出張して検査を行うこともあります。ご自身の『眼の現在地』を詳しく知ることができますので、ぜひお気軽にお試しいただきたいですね。」

首藤さんは、この道30年というメガネのエキスパート。これまでに、1000人以上のゲーマーの眼を見てきました。

■eスポーツ×ゲーミングメガネ、現場での広がりと反響

ーー近年、eスポーツは右肩上がりに成長していますが、この盛り上がりがゲーミングメガネの開発に与えた影響はありますか?

細野さん:「私たちが活動を始めたのは、eスポーツ元年と言われる2018年の少し後でした。その頃から比べると、ソフトもハードも増えたなと感じますね。テレビを使ってプレイするゲームだけだったら、テレビと眼の距離を合わせるだけで良かったのですが、現在はPCやスマホ、携帯機でプレイする場合もありますもんね。それに合わせて、レンズの種類もバリエーションが豊かになってきました。」

首藤さん:「レンズだけでなく、ゲームの種類によってフレームの形状を変えることもありますね。例えば、動きの激しいゲームをプレイするときは、耳掛けの部分にすべり止めが付いているフレームを選ぶような感じです。レンズと同様に、フレームの選択肢もだいぶ増えてきたように思いますね。」

ーーレンズもフレームも種類が増えて、さまざまなプレイ条件に合わせたメガネを作れるということですね。

細野さん:「はい。例えば以前はヘッドセットを付けたときに違和感のないフレームが好まれましたが、最近ではヘッドセットの下にイヤホンを付けるケースなどもあり、それに対応したフレームもご提案していくようにしています。一方でヘッドセットをしないケースも見られるようになりましたので、常にeスポーツシーンのトレンドを追いかけて、耳周りにも優しいフレームをお届けできればと思いますね。」

耳にかかる部分にすべり止めを付けたフレーム。視線や顔の動きが大きくなりがちなゲームをプレイするときに役立ちます。バンドを使って、頭部にメガネを固定することも可能だそうです。

ーーeスポーツの進化に合わせて、メガネも多様化しているんですね。実際にゲーミングメガネを使用しているユーザーや、競技志向の高いプレイヤーからはどのような反響がありましたか?

首藤さん:「『もっと早く知りたかった』という声が多いですね。眼が悪くなってゲームの世界から引退したけれど、ゲーミングメガネの存在を知っていたらもっと長くプレイできたのではと。『昔に戻ったようだ』『敵が良く見える』などの声も数多くいただいています。ゲーミングメガネが選手生命を延ばすような存在であるのなら、我々も嬉しく思いますね。

ポイントは、眼の疲労感に働きかけるような仕組みだと思います。ピントが合わず曖昧に見えているものは、どうしても眼が追ってしまうんですよ。その分、眼球運動も激しくなり、眼も疲れやすくなる。一方、ゲーミングメガネで見ている場合は全体的にクッキリ見えていますので、ひとつひとつのパーツを集中して追いかける必要がないんです。基本的に眼は、リラックスしている状態が一番疲れないので、いかにその状態に持っていけるかが勝負だと思っています。」

ーーやはり、ゲーム中の眼の動きは日常生活と異なり、負担が大きいのでしょうか?

首藤さん:「ゲームによって差は出ると思いますが、一般的には、速く、細かく視線が動いています。特に、Apex(※)のように忙しく画面全体を見なければいけないFPS(※)などは激しいですね。ゲームが上手い人ほど眼の動きが素早く、視線のトラッキングデータを見ると、とにかく広範囲を高速で移動している傾向があります。これを数十分、数時間と続けていくわけですから、日常生活とは大きく異なる動きで眼に負担をかけていることは容易に想像がつきますね。」

細野さん:「日常生活で獲物を追いかけるシーンはなかなかないですからね(笑)。一度に処理する情報量も多いですし、距離特化型のゲーミングメガネで、せめて眼の疲労だけでもサポートできたらという思いです。」

※Apex=「Apex Legends(エーペックスレジェンズ)」。世界的にも人気が高い、対人戦シューティングゲームのこと。

※FPS=「First Person Shooting(ファーストパーソンシューティング)」。一人称視点、つまり操作キャラクターと同じ視点でプレイするシューティングゲームのこと。

一般のメガネ店ではなかなか見られない、モニタの前で見え方を調整する様子。普段のゲーム環境をヒアリングしながら、最適な度数を測っていきます。

■「最後に負ける」人ほど、目が疲れている!?

ーーゲーミングメガネは「モニタとの距離に特化したメガネ」であるというお話でしたが、ゲーミングメガネを使うことで、どのような効果が期待できますか?

首藤さん:「先ほどのお話にもありましたが、やはり眼精疲労に働きかけるという部分が一番でしょうね。毛様体筋(※)に楽をさせ、有害光線をカットして眼球への刺激を軽減することで、ゲームに集中できる環境を作ります。結果としてゲームの成績が上がるならば、それが最高だろうということですね。」

ーーはい、そんな夢のようなメガネがあるのならば、喉から手が出るほど欲しいです!(笑)。

首藤さん:「ですよね(笑)。近くを見るときは眼の水晶体と呼ばれる部分がグッと膨らむのですが、これがまさに腕立て伏せで腕を曲げているような状態で、眼の筋肉をハードに使っています。環境に適した度数のメガネを使うことで眼の筋肉に負担をかけずに済むので、特にプレイが長時間に及ぶときの疲労緩和につながるとは思います。人間って、ピントが合っていないものを見ようとすると、ついつい眼を凝らしてしまうんですよ。眼が元気なうちはゲームも勝てるんですが、だんだんと疲労が蓄積して、最後の最後で負けてしまう。集中力への影響も大きいですし、長丁場の大会などで勝ちきれない要因にもなりかねません。

細野さん:「眼の神経から首、腰などの疲労につながることもありますからね。眼の疲労を抑えることで、肩コリなども軽減できたら良いですよね。」

※毛様体筋(もうようたいきん)=眼の筋肉のひとつで、主にピント調節に使われる。

ゲーマーの眼を救いたい一心で、ゲーミングメガネを進化させてきた首藤さんと細野さん。最近はSNSへの投稿も積極的に行い、多方面から注目を集めています。

■画面端までしっかり見せる、eSASレンズの正体

ーーめがねmonoやさんのゲーミングメガネには「eSASレンズ」というものが採用されているそうですが、こちらはどのようなレンズでしょうか?

首藤さん:「eSAS(e-Sports Athlete Specs)レンズは、被写界深度(※)延長設計により、「クリアな視界」と「立体視における眼精疲労、違和感の軽減」、さらに「視野の拡大」などを実現したレンズです。鮮明に見える範囲を拡大することでゲームプレイ時の眼の動きが少なく済みますので、集中力の強化、眼精疲労の軽減につながると思います。」

ーー長時間モニタを見ていると、眼が疲れて画像の輪郭が少しブレたりすることがあります。それを和らげるようサポートしてくれるんですね。

首藤さん:「そうなんです。人は距離感が変化するものを見るとき、眼の調節機能を使って焦点を合わせているのですが、眼が疲れてくると調節機能の低下からピントを合わせづらくなり、ボケが大きくなってきます。eSASレンズは、多少ルーズに画面を見ても視界がクリアになるようサポートし、ボケ感を軽減しますので、画面全体の情報を把握しやすくなるという特徴があります。」

※被写界深度(ひしゃかいしんど)=ピントが合っている範囲のこと。

ブルーライトだけでなく、HEV(High Energy Violet light=高エネルギー可視光線)もカット。さまざまな光刺激から眼を保護します。(出典:eSASレンズHP

ーーeSASレンズの開発において、最も苦労した点を教えてください。

首藤さん:「これは色味ですね。はじめは他のレンズメーカーさんが販売していた色を参考にしていたのですが、もっと眩しさを抑えたい、光の波長も抑えたい、となったときに、従来の塗料を使ったレンズでは難しいことがわかりました。塗料を濃く入れれば眩しさは抑えられるのですが、レンズの色味も濃くなってしまい、見た目の美しさが損なわれてしまうんです。そのバランスを取るのが大変でした。」

細野さん:「ゲームだけでなく、ウェブ会議などでも使いたいのに、色味がキツすぎて使えないのはもったいないですもんね。機能性を維持しつつ、いかに日常生活に馴染めるかという点を考慮して開発しました。」

左の列の2枚は、一般的なメガネ店で扱われているレンズ。中央と右の列の4枚はめがねmonoやさんのレンズです。首藤さんは、「度重なる試作の末に生み出されたこの色合いこそが、眼に有害な光を反射する最大のポイント」と言います。

首藤さん:「試行錯誤の末、色についてはイエローとグレーの2色展開でいけるねという話になりました。クリアなレンズが欲しいというご要望もいただくのですが、やはり色が入らないと眼の刺激は抑えにくいです。」

細野さん:「機能性はもちろんですが、色付きのメガネへの偏見というか、サングラスをかけて仕事をするなんて、という価値観をなくしたい思いもあります。PCで仕事をする人は色付きのメガネを使うのが当たり前の世界で、『ちゃんと眼を保護した状態で仕事をしているんだな』と思えるような時代になってもらいたいです。

ーーPC用のメガネを「眼を保護するための道具」と考えられるといいですよね。では、eSASレンズの大きな特徴でもある「視野拡大」とは、どのような機能でしょうか?

首藤さん:「はい、eSASレンズの被写界深度設計によって、ピントが合っているエリアを拡大する機能です。普段画面を見るとき、見ようとしている対象物の周辺はバッチリ見えているのが普通ですよね。でも、それ以外の部分、例えばモニタの外周に近い場所などは、どうしてもボケやすくなってしまうんです。先ほどのお話にもありましたが、人は曖昧に見えているものを眼で追いかけてしまうので、これが眼精疲労の原因になるのではないかということですね。」

ーー私も先ほどゲーミングメガネをかけさせていただきましたが、たしかに画面全体がクッキリと締まって見える印象(※個人差があります)でした。

首藤さん:「ですよね。コントラストを上げて色的に見やすくしているのもあると思います。そのため、顔の位置や視線を大きく動かさなくても画面内の情報を把握しやすくなり、結果として疲労の軽減につながるという仕組みです。」

ーーさまざまな機能が盛り込まれたゲーミングメガネは、「眼の保護」と「集中力、パフォーマンスの持続サポート」に優れていることがわかりました。日々酷使されがちなゲーマーの眼は、こうした道具を上手く使うことでケアしていきたいですね。

一般的なレンズとeSASレンズの見え方の違い。eSASレンズは広範囲にピントが合い、クッキリ見えるのがわかります。(引用:eSASレンズHP

■ここが知りたい匠の技!

「所要時間はおよそ2時間!”普通ではない”視力検査の中身」

めがねmonoやさんのゲーミングメガネは、徹底した視力検査によって使用する人の「眼のクセ」を把握するところから始まります。検査に要する時間は、なんとおよそ2時間! ここでは、2時間の検査でどのようなことを行うのか、簡単にご紹介したいと思います。

①カウンセリング(~30分)

まずは、普段生活している環境やお仕事から眼のコンディションに至るまで、細かくヒアリングをしていきます。めがねに対するリクエストはもちろん、眼のお悩みについても丁寧に聞き取りしていきます。

担当の細野さんが、優しく丁寧にヒアリングしてくれます。メガネに対する要望や心配事がある場合は、積極的に相談しましょう。

②視力検査(~60分)

首藤さんの熟練の技術によって、眼の状態を詳細にデータ化。度数だけでなく、眼球の運動能力や視野、斜視などの検査も行い、適切なレンズ選びの参考にします。ゲーマーの方は、自分のエイム力がわかるかも……!?

一般的なメガネ店でもよくある、機械を使った検査。画面内の気球を見ながら、眼のコンディションを調べます。

棒の先端についたボールを眼で追いかけて、眼の運動能力や視野の広さなどをチェックしていきます。

検査時間は長めですが、そのぶん眼の状態を詳しくチェックすることができます。

③フレーム選び(~30分)

レンズを入れるフレームを選択します。店舗で販売しているフレームだけでなく、手持ちのフレームにレンズを入れることも可能なので、お気に入りのフレームがある方は、持ち込んでみるのもオススメです。

店舗には、常時たくさんのフレームが用意されています。スポーティなものから、女性にもかけやすい綺麗なフレームまで、どのフレームにもeSASレンズを入れられるそうです。

■「距離特化型メガネ」は普段使いできるのか?

ーーゲーミングメガネは「モニタとの距離に特化したゲーム用のメガネ」というお話でしたが、日常生活用として普段使いすることはできるのでしょうか?

首藤さん:「これはですね、結論から言うと向いていません。なぜなら、モニタとの距離に焦点を合わせていますので、近くは良く見えるのですが、そのぶん遠くが見えないんです。ちょっとゲーミングメガネをかけて立ってみてもらえますか?」

ーーあぁ……これは遠くがかなりボヤケますね。私の体感では、歩くのも少し怖いくらいかもしれません。これでは、ちょっと外出は無理そうです…!

細野さん:「そうなんです。なので、ゲーミングメガネは座ったとき専用、ゲームと向き合うためのメガネと考えていただくのが良いかと思います。」

ーーあくまで、デスクで使う道具ということですね。こちらはゲーミングと名前がついていますが、ゲーム以外、例えばデスクワークの方が仕事用に使っても良いですか?

首藤さん:「もちろんです。モニタを見る状況であれば、老若男女どなたにでもオススメできます。実は我々にはゲーミングメガネ以外にも『デジめがね®︎』というブランドがありまして、PCでの仕事用に被写界深度設計を取り払って価格を下げたモデルも展開しています。ゲーミングメガネまではいらないけれど、デスクワーク用に眼を保護するメガネが欲しいという方は、こちらもチェックしていただければと思います。」

細野さん:「ゲーミングと銘打ってはいますが、ターゲットをゲーマーさんに限定してはいないので、幅広いジャンルで、デジタルデバイスを見続ける多くの方々に使っていただけると嬉しいですね。」

■「ゲーミングメガネでGDPを上げる」という挑戦

ーー開発者の方から見て、ゲーミングメガネの一番の魅力を教えてください。

首藤さん:「ピントが合う、周辺視野が拡大するなど数々の機能は、最終的に『眼の疲労の軽減』というところに行き着くと思います。長期的に見て、ゲーミングメガネが眼の健康のためになるのは間違いないですし、長くゲームを楽しめるように眼をサポートできるのが一番の魅力でしょうか。最近は遠くを見る用のメガネのままモニタを見てしまう方も多く、かえって近視が進んでしまう原因にもなりかねません。日常生活用、ゲーム用など用途に合わせてメガネを使い分けるのが良いと思いますね。」

細野さん:「長時間のゲームプレイでも疲れにくく、集中力を保てるのは大きいですよね。疲れないので、ゲームをやめるタイミングがわからなくなっちゃうかもしれませんけど(笑)。」

ーー現時点でも機能が盛りだくさんのゲーミングメガネですが、今後はどのように進化していくと思われますか?

首藤さん:「今後はゲーマーさんの年齢もどんどん上がっていくと思いますので、遠近両用や中近両用のように、あらゆる距離感をカバーできるようなものが出てくるのではないかと思います。あとは、AIグラスなどテクノロジーとの融合でしょうか。メガネにアタッチメントを付けるカタチになるのかもしれませんし、レンズそのものに映像が映し出されるのかもしれません。どちらにしても眼に影響が出てくると思いますので、それに対応して眼を保護できるようなレンズを開発していきたいですね。とはいえ、現在のゲーミングメガネは完成形にかなり近いと感じていますので、しばらくはこの形が続くのかなと思っています。」

細野さん:「ゲームだけでなく、デスクワークでPCを使う機会が増えているのもあり、皆さんの眼はだいぶ疲れているように思います。疲れをなくしてあげるだけで作業効率は上がるし、きっと経済の活性化になるって、我々は勝手に思っているんです。本気で『メガネでGDP(国内総生産)を上げる』というのを目標にしていますからね。

ーー素晴らしい目標だと思います!ゲーマーだけでなく、デスクワーカーの眼を救うことで、世界が元気になると良いですね。それでは最後に、この記事をご覧になっている皆様にメッセージをお願いします。

首藤さん:「眼の検査結果が悪いと親に怒られると思って、不調を訴えずにいるお子様が結構いるんです。でも、視力の低下は単純にゲームを長時間プレイしているからではなく、暗い部屋の中でゲームをしているとか、モニタとの距離感が合っていないとか、環境によるものもあると思うんですよ。当社では検査時に優しくヒアリングをしていますので、怒るなんてことはありません(笑)。適切な度数のゲーミングメガネを作ることで眼のコンディションが改善するかもしれませんし、ぜひ一度、お気軽に来店していただきたいですね。」

細野さん:「もちろん、お子様だけでなく、大人の方にも優しく接しております(笑)。もしご来店をされる場合は、ご予約だけお願いしたいと思います。ゲーマーさんは夜型の方が多く、夜中の2時に『今日行っていいですか?』という連絡が来ることもあるのですが、さすがに寝ているかもしれませんので……(笑)。できるだけお早めに、HPよりご予約をお願いします。皆様のお越しを、お待ちしております。」

ーー今回は、eスポーツ×ものづくり企画第1弾として、「ゲーミングメガネ」を製作・販売されている「めがねmonoや」さんにお話を伺いました。首藤さん、細野さん、ありがとうございました!

■関連リンク

めがねmonoや:めがねmonoや | 代々木の予約制眼鏡屋

めがねmonoやⅩ:ゲーミングメガネ屋👓💻めがねmonoや(@eSAS2020)さん / X

eSASレンズ:eSAS(e-Sports Athlete Specs:イーサス)

■編集後記

仕事と遊びにPCを使い、日々目薬が手放せない筆者としては、今回の取材はどことなく受診に近いものがありました(笑)。実際に視力検査を体験させていただいたことで、自分の眼の状態が理解できましたし、ゲーミングメガネで「見える」を体感できたことは、貴重な経験であったと思います。また、普段目薬でごまかしてしまいがちな「眼の保護」について真剣に考えさせられる、有意義な時間ともなりました。(そしてゲーミングメガネが欲しくなりました……!)

取材中に感じたのは、首藤さんと細野さんの眼に対する熱量の高さ。そのアツい想いは、めがねmonoやさんのⅩ(旧Twitter)の投稿頻度とそのボリュームにも現れています。眼のためになる有意義な情報を日々発信されていますので、こちらもぜひご覧になっていただきたいです。

「ゲーマーの眼を救いたい」、「本気でGDPを上げたい」という強い思いから生まれたゲーミングメガネ。レンズとフレームのセットで3万3千円(税込)からというしっかりしたお値段ですが、ワンランク上のレベルを目指すゲーマーの皆さんに、ぜひ一度使ってみてもらいたいアイテムです。気になる方は、HPやSNSをチェックしてみてくださいね!

(ものづくり新聞/木戸一幸)

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