触れてみる・体験
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2025.02
京都の古民家で、竹編み職人に教わる竹カゴ作り体験レポート

2025年02月18日 公開

今回編集部が向かったのは、京都府京都市上京区です。京都御所からほど近い、有限会社横山竹材店(よこやまちくざいてん)が運営する、竹小物・竹雑貨のお店「TAKENOKO(タケノコ)」に伺いました。
風情ある町家で、竹細工ワークショップを体験してきました。職人さんに直接教わって、素敵な竹カゴが完成しましたので、その様子をレポートします!
横山竹材店が運営する、竹小物・竹雑貨のお店「TAKENOKO」

TAKENOKOは、大正8年の創業から竹垣や和風インテリア用品の製作を行う「横山竹材店」が運営する、竹製品を扱うお店です。日本各地からセレクトした竹製品だけでなく、自社で製作した竹製品も販売されています。
店内に並べられた品物は、小さいもので茶さじやコースターなどの小物のキッチン用品から、大きいものは竹でできた大型のベンチまで。竹製品だけが集まっているところを見ると、こんなにも種類が多いということに気づき、竹製品の多様さに驚きました。

予約制で竹細工ワークショップにも参加することができます。竹編み職人であり、TAKENOKO店長の田中めぐみ(たなか めぐみ)さんに教えていただきました。

*提供:横山竹材店
田中さんは、京都の専門学校で4年間竹細工を学ばれたのち、横山竹材店に入社。現在は竹かごなどの竹雑貨や竹編み技術を生かした建築内装材を専門に作る職人として作業する傍ら、体験教室も行っています。
選べる体験内容と体験価格について

*提供:横山竹材店
体験は約2時間。体験で作るものは竹かごや竹箸、茶杓から選べます。価格は4400円から12000円まで、作るものによって異なります。今回選んだよろずカゴは、4950円(2025年1月 取材時)でした。
体験中に、田中さんから竹細工のことや、竹材についても教えていただきました。その中で特に驚いたこと、面白かったことを3つご紹介します!
①竹の伐採を行うのは一年の間で秋と冬だけ!その理由とは?

ーー竹材を調達する際はどんなことが大変ですか?
田中さん:「竹は1年を通して好きなタイミングで伐採できるのではなく、9月から12月くらいの期間に、一年間で使用する竹をまとめて伐採します。
というのも、竹は季節によって蓄えている養分や水分の量が変化します。夏には豊富な養分や水分を含んでおり、虫が好む養分が多くなります。それを嗅ぎつけた虫がついてしまうんですね。
虫がついてしまった竹は虫食いによって穴が空いてしまい、竹材として使用することができなくなります。それを防ぐために、虫がつきにくい秋から冬にだけ伐採をするんです。」
ーー竹につく虫っているんですね!冬は伐採した竹の養分や水分が少ないので、竹を切り取るには最適の季節なんですね。竹の品質を守るために、伐採の時期にも工夫されていることがわかりました。
②伐採後の竹から竹細工用の竹に加工するまで半年以上かかる!その加工方法とは?

ーーワークショップで使用する竹材について教えてください!
田中さん:「まず、竹林に生えているような天然の緑色の竹は青竹と言います。今日のワークショップで使用する素材は、青竹から乾燥工程を終えた白竹と呼ばれるものです。
外で使うのであれば油分があり腐食しにくい青竹を選びますし、屋内で使用する場合や長期保存をしたいとき、ツヤを持たせたい場合は白竹にします。両方の特徴を踏まえて、用途によって使い分けています。白竹にするには、竹の種類によって異なりますが半年近くかかります。」

ーー半年もかかるんですか!具体的にどんな加工方法があるんですか?
田中さん:「竹は油分を含んでいるので、油抜きという工程があるんです。
油抜きは主に2種類の方法があります。一つは、「湯抜き」といって苛性ソーダを入れた湯でグツグツ煮る方法です。竹の表皮をコーティングしている油分を分解し、内部の水分で竹が腐らないようにします。もう一つは火焙り加工といって、手作業で一つ一つ弱火で表面を炙って、表面に汗みたいに出てくる油を布で拭う方法です。後者の方が手間も時間もかかりますが、竹の油分で表面がコーティングされるため、よりツヤが出て輝きます。
竹細工に使用できる状態にするには、天日干しにして乾燥させる必要もあるため、完成には半年ほどかかりますね。」
③竹細工体験で使った材料は竹とアレだけ!

体験中に驚いたことの3つめは、体験で使用したものについてです。竹細工の見た目からは想像がしにくいのですが、実は接着剤を一度も使用していないんです。
霧吹きで水をかけると、水が滑り止めとなって、反発力のある竹がしっかりと固定されます。逆に、水をつけないと編んでいてもずれてしまうので、何度か霧吹きを使用しました。

編みの途中では仮止めのために洗濯バサミや竹の端材も使いましたが、完成するまでに一度も接着剤を必要とせずに編み終えることができることに驚きました。

完成したのがこちら!小物を置いたり、花を飾ったりして使うことができるのだそうです。最後に竹の筒に両サイドから複数枚の編んだ竹をまとめて入れるのが少し難しかったです。全体的なバランスや大きさはそれぞれの好みで整えられる部分もあったので、作ったものに愛着が生まれる素敵なワークショップでした。
皆さんもぜひワークショップに挑戦してみてください!
TAKENOKO公式サイト
横山竹材店 公式サイト
竹・竹垣・竹材卸問屋 横山竹材店 ヨコタケ Yokoyama Bamboo Products & Co. yokotake.co.jp
編集後記
この体験はあまり危険な作業や難しすぎる工程もなかったので、ものづくり体験初心者の方にもおすすめです。また、電車と徒歩で行けるアクセスの良い立地にあるのも良かったです。没頭感のある作業が心地良く、ゆったりとした時間が流れていきました。同じ建物にあるショップや、体験中に見せていただいた冊子から、竹材から実際にどんなものが作られているのかも教えてもらえたので、自分が体験した内容と、その竹細工の多様なものづくりの世界に共通点を持てた気がして嬉しかったです。ただ体験するだけではなく、その体験した技法がどのように身の回りの生活を支えているのかを知れた、充実感のある時間でした。竹林や上賀茂神社など、街中で実際に使われている竹細工を探しながら歩くのも楽しそうだと思いました。(ものづくり新聞記者 佐藤日向子)
